この記事について

大きな相場のニュースが流れると、FXを始める人が増えます。15年ぶりの日米協調介入が起きたいまは、まさにそのタイミングです。この記事は「始めましょう」でも「やめましょう」でもありません。この実口座の7か月の記録から、先に知っておくと騙されにくくなる数字を5つと、口座を開く前に決めておくべきことを3つだけ渡します。全部、根拠の記事つきです。

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この記録はOANDA証券のMT5口座で取っています。よく似た注文条件を持つ国内口座として、MT4対応のFXTFヒロセ通商(LION FX)があります。 どちらも1,000通貨から発注でき、注文時に決済指値を付けられます。FXTFはMT4、ヒロセ通商は独自の取引ツールです。

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数字1:月平均+1万円——1,000通貨の現実的なスケール

この口座はほぼ1,000〜3,000通貨(国内最小クラスのサイズ)で7か月運用して、確定利益は+81,399円、月平均でおよそ1万円でした(実額の記事)。

SNSで見る「月利20%」「1日で10万」の世界とは別物です。そして大事なのは、この1万円は毎月コンスタントに出たわけではないこと。動かなかった6月は+537円、介入で荒れた7月は+19,792円——37倍の差があります。少額FXの利益は自分の腕ではなく、相場の動く量で決まります。「毎月安定して◯万円」を語る発信を見たら、この落差を思い出してください。

数字2:勝率98.6%——設計だけで作れる数字

この口座の決済140本のうち、スワップ込みでマイナスは2本だけ。勝率98.6%です。そしてこれは腕前と無関係です。

損切りしなければ、負けは確定しません。含み損は「まだ負けていない」扱いになり、勝率の分母に入らない。つまり勝率は、手法の優劣ではなく損切りをするかしないかの設計でほぼ決まります。勝率98.6%のこの口座が、同時に含み損−38,167円を抱えている——この2つの数字はセットです(勝率のからくり)。

勝率を根拠に商材や手法を売る人から身を守る、いちばん大事な数字がこれです。勝率だけを見せて含み損を見せない成績は、何かを隠しています。

数字3:−38,167円——高勝率の裏に必ずある含み損

2026年8月8日時点で、この口座は介入による8円超の円高を受けて含み損−38,167円を抱えていました。内訳は、急落前に160円台で買った7本に77%が集中(含み損の中身)。

始める前に知ってほしいのは、含み損の有無ではなく「含み損は正常運転の一部」だということです。買った瞬間から価格は上下します。下がった局面を全部避けられる人はいません。問題は含み損が出ることではなく、出たときに耐えられるサイズで持っているかです。それを測る道具が次の数字です。

数字4:維持率1,006%——「耐えられるサイズ」の計器

急落を食らってもこの口座の強制決済が遠かったのは、有効証拠金100万円に対して保有16,000通貨という小さいサイズだったからです。証拠金維持率は「有効証拠金÷必要証拠金」で自分で計算でき、退場までの距離を測る計器として機能します(計算の全手順と「あと何円耐えられるか」)。

逆の言い方をすると、維持率を見ずにサイズを決めるのは、燃料計を見ずに海に出るのと同じです。口座を開いたら、取引の前にまずこの計器の読み方を覚えることをすすめます。

数字5:9割——残高の伸びのうち入金の割合

この口座の残高は7か月で67万円増えましたが、そのうち60万円は入金です。トレードで増えたのは、確定ベースで7.5万円、含み損を引いた実質では+43,232円資金の全記録本当の成績の計算)。

「残高が2.8倍になりました」というスクリーンショットは、この口座でも作れてしまいます。残高の画像は利益の証明になりません。入金を公開していない成績を見るときは、それを頭に置いてください。

5つの数字のまとめ

数字意味教訓
月平均+1万円1,000通貨の現実的な利益月ごとの差は37倍。安定収入ではない
勝率98.6%設計で作れる数字含み損とセットでない勝率は見ない
−38,167円含み損は正常運転の一部出るか出ないかでなく、耐えられるか
維持率1,006%退場までの距離の計器サイズを決める前に読み方を覚える
入金9割残高は利益の証明にならない入金を公開しない成績に注意

口座を開く前に決めておく3つのこと

数字の次は、決めごとです。この口座の7か月の記録から逆算すると、始める前に決めていなかったことが、あとで一番高くつきます。実際この口座の最大の負けは、事前に決めたルールの外に出た1日に生まれました(その日の明細)。

1. いくらまでなら失っていいか——生活に影響しない金額。これが決まると口座に入れる額が決まります 2. 1回のサイズの上限——この口座は「有効証拠金100万円あたり合計2万通貨まで」の密度です(逆算の実例)。自分の資金で同じ計算をしてから発注してください 3. やらないことのリスト——成行で飛び乗らない、逆方向を急に触らない、サイズを気分で変えない。この口座の負けは、この3つを同時に破った日に出ています

最初の1か月でやると決めておくといいこと

始めた直後の1か月は、勝ち負けよりも「自分の口座で何が起きるか」を観測する期間として使えます。この口座が7か月かけて分かったことのうち、最初の1か月でも確認できるものを挙げます。

  • スワップが毎日いくら付くか:ポジションを持ち越すと発生します。この口座は7か月で+4,782円、確定損益の5.9%でした(スワップの実額)。金額の規模感を、自分の口座で1週間見てみると体感できます
  • 自分の口座の時刻がどうずれているか:MT4/MT5は日本時間ではなくサーバー時間で動きます(夏+6時間・冬+7時間)。日足の区切りやスワップ付与の時刻もこの時計です(時刻の読み方
  • 取引明細をエクスポートできるか:このサイトの数字は全部MT5の明細から自動生成しています。自分の記録を後から検証できる形で残せるかどうかは、1年後に効いてきます(明細で最初に見る5つの数字
  • 含み損が出たときの自分の反応:これがいちばん大事です。−1万円の含み損で眠れないなら、そのサイズはその人にとって大きすぎます。計器(維持率)が緑でも、体が赤信号を出すことはあります

よくある質問

Q. いくらから始められますか? 1,000通貨のドル円なら、建てるだけの必要証拠金は157円台で6,300円前後です。ただしそれは「持てる」だけの金額で、耐える余裕は別に要ります。この口座の実例では、有効証拠金100万円で16,000通貨——つまり必要証拠金の8倍以上の余裕を持たせています。

Q. いまは介入で荒れていますが、始めるのに向いた相場ですか? 分かりません。このサイトは相場の予想をしません。言えるのは、荒れた相場はスプレッド(取引コスト)が広がりやすく、価格も飛びやすいという一般的な事実と、この口座がその荒れた3営業日をどう通過したかの記録だけです(介入週の記録)。

Q. デモ口座と本番、どちらから始めるべきですか? このサイトは助言をしませんが、事実として、本番の1,000通貨は「50銭動いて500円」です。失っていい金額の範囲でこの小ささから始められるのが、いまの国内FXの環境です。注文の練習だけならデモでも検証ソフトでもできます(使っているものに記載)。

最後に

いまは15年ぶりの介入直後で、歴史的に荒い相場です(何が起きているか)。この口座の記録から言えるのは一つだけ——7か月生き残っている理由は予想の的中ではなく、小さく持っていることでした。始めるかどうかはあなたの判断です。このサイトは、判断の材料になる記録を毎日出し続けます(運用日誌)。