この記事について
スワップポイントの解説はどこにでもあるが、「で、実際いくら付くの?」に実額で答えている記事は少ない。この口座の2026年の取引明細から、そのまま出す。
スワップは同じ通貨ペア・同じ数量でも会社ごとに金額が違います。長く持つ運用ほど差が積もります。 この記録はOANDA証券のMT5口座のスワップ実績です。比較する場合はFXTF
やヒロセ通商(LION FX)
など、実際に使う口座の付与額を確認してください。
スワップポイントとは
ポジションを翌日に持ち越すと発生する、2つの通貨の金利差の調整額。ドル円の買いポジションは、いまの金利環境では受け取り側になることが多い。日をまたがなければ発生しない。
この口座の実額
| 項目 | 実額 |
|---|---|
| 2026年に決済した140件のスワップ合計 | +4,782円 |
| スワップが付いた決済 | 140件中67件(48%) |
| 2026年の確定損益に占める割合 | 5.9%(+4,782円 ÷ +81,399円(2026年8月8日時点)) |
| 保有中11本の累積スワップ | +837円(8月8日時点) |
つまりこの口座の利益の9割超は為替差益で、スワップは「持ち越しに付いてくるおまけ」程度の規模になっている。
そもそもスワップポイントとは(仕組みの整理)
2つの通貨には、それぞれの国の政策金利があります。ドル円を買う(=円を売ってドルを買う)と、金利の高い通貨を持ち、低い通貨を借りている状態になります。この金利差の調整として毎日受け払いされるのが、スワップポイントです。
- ドル円の買い:いまの金利環境では受け取りになることが多い
- ドル円の売り:同じ環境では支払いになる
- 受け払いの水準は毎日変わり、業者ごとにも差がある
「金利差があるから確実にもらえる」ではなく、「その日その日の水準で受け払いが発生する」という理解が正確です。政策金利が変われば、受け取りが縮むことも逆転することもあります。
一番効いた実例
面白い記録がひとつある。MT5原明細のサーバー時刻で2026年1月23日18:48:51に157.496円で建てた3,000通貨を、3月2日15:17:38に157.418円で決済した。実際の保有時間は37日20時間28分47秒(約38日)だった。両時点とも冬時間で、JSTでは1月24日01:48:51から3月2日22:17:38に当たる。
2026年9月15日訂正: 旧版の「39日間」「39日分のスワップ」は、実際の経過時間とスワップの付与日数を区別できていなかったため訂正した。原明細で確認できるのは、上記の保有時間とスワップ合計+843円であり、付与日数を保有日数から推定しない。
| 内訳 | 金額 |
|---|---|
| 為替差損益(157.496 → 157.418) | −234円 |
| この取引に計上されたスワップ合計 | +843円 |
| 差引 | +609円 |
値段だけ見れば負けた取引が、持ち越しの間のスワップで差引プラスになった。損切りをしない運用では持ち越しが長くなりやすく、その間のスワップが結果を少し押し上げる——という構造が、この1件に全部詰まっている。
スワップはいつ、どう付くのか(実務の話)
金額の前に、仕組みの実務部分を書いておきます。
- 付くタイミング:日をまたぐ瞬間(ロールオーバー)に、その時点の保有ポジションに対して発生します。日をまたがない取引には付きません
- その「日をまたぐ」の基準時刻:MT5のサーバー時間の0時です。日本時間ではありません(夏なら日本時間の朝6時ごろ/時刻の読み方)
- 水曜日は3日分:土日ぶんがまとめて付く日があり、多くの業者では水曜日(サーバー時間)に3日分が計上されます
- 決済するまで受け取れない:明細上は積み上がっていきますが、口座の現金として確定するのは決済したときです
この口座の保有11本には、8月8日時点で+837円のスワップが未収で乗っています。金額としては小さいですが、これも含み損益の一部として口座の実力値に入っています。
保有期間別に見ると、構造が見える
決済140件のうち、スワップが付いたのは67件(=日をまたいだ玉)でした。逆に言うと、半分以上は日をまたがずに決済されているということです。
この口座は「50銭下がったら買い、50銭上がったら売る」だけなので、値動きの大きい日は数時間で決済が終わります(介入週は17分・30分で決済された玉が並んだ)。スワップは、相場が動かず持ち越しになった玉だけに付くボーナスという位置づけになります。
つまり——
- 相場が動く月:決済が増える。確定利益は増えるが、スワップは付きにくい
- 相場が動かない月:決済が減る。確定利益は減るが、持ち越しにスワップが付く
わずかですが、この2つは逆方向に効きます。6月の確定損益が+537円しかなかった月も、保有玉にはスワップが積まれ続けていました。
注意しておくこと
- スワップは売り買いで受け払いが逆になる。ドル円の売りなら支払い側
- 水準は毎日変わるし、金利環境が変われば受け取りが縮む・消えることもある
- この口座はスワップを狙って持ち越しているわけではない。下がった玉を持ち続けた結果、付いてきているだけ
- 「スワップ狙いで持ち越す」判断をすると、含み損の拡大と引き換えになりやすい。この口座の含み損の記録(各日の振り返り)とセットで見てほしい
「スワップ狙い」との距離
高金利通貨を買ってスワップを受け取り続ける運用(いわゆるスワップ狙い)とこの口座は、似ているようで前提が違います。
| スワップ狙いの運用 | この口座 | |
|---|---|---|
| 目的 | スワップの受け取り | 50銭幅の値動きを拾うこと |
| 持ち越し | 意図的に長く持つ | 決済されるまで結果的に持つ |
| スワップの位置づけ | 収益の柱 | 持ち越しに付いてくるおまけ(5.9%) |
| 主なリスク | 為替差損が受け取りを上回る | 含み損の積み上がり |
構造は近いのに結論が違うのは、どちらを目的に置くかの差です。スワップを目的にすると「含み損が出ても持ち続ける理由」が手に入ってしまい、判断が甘くなりやすい——というのが、この口座がスワップを収益の柱にしない理由です。
なお、この口座がドル円の買いでスワップを受け取れているのは、いまの日米の金利差が前提です。金利環境が変われば、同じポジションが支払い側になることもあります。受け取り前提で設計しない——これはどの運用でも同じだと思います。
よくある質問
Q. スワップだけで生活できますか? この口座の実額で言えば、7か月で+4,782円です。月あたり650円程度。規模を100倍にすれば月6.5万円になりますが、そのときは含み損も100倍のスケールで動きます。
Q. スワップポイントは業者ごとに違いますか? 違います。同じドル円の買いでも水準に差があり、日々変動します。持ち越し前提の運用では、この差が長期的に効いてきます(口座選びのコスト)。
Q. マイナススワップになったらどうしますか? この口座はまだその状況を経験していません。経験したら、その月の記録にそのまま出します。想定としては、受け取り前提で設計していないので、運用の形自体は変えないつもりです。
自分の口座のスワップ実額を出す方法
この記事のような数字は、誰でも自分の口座で出せます。手順は3つです。
1. MT4/MT5の口座履歴から取引明細を書き出す(XLSX/HTML) 2. 「ポジション一覧」(決済済み)のスワップ列を合計する。これが期間内に確定したスワップ 3. 「ポジション」(保有中)のスワップ列も合計する。これが未収分(含み損益に含まれている)
この2つを分けて数えるのが要点です。確定した分と、まだ含み損益の中にいる分は別物だからです。この口座で言えば、確定+4,782円と未収+837円で、意味が違います。詳しい明細の見方はMT5のレポートで最初に見る5つの数字にまとめました。
自分の口座で計算してみると、「スワップで増える」という話が自分の規模で何円になるのか、体感として分かります。想像より小さいか大きいかは、サイズ次第です。
なお、この記事の数字は8月8日時点の明細のものです。スワップの累計はポジションを持ち続けるかぎり毎日変わるので、最新の値は運用日誌の数字とあわせて確認してください。
まとめ
- 実額は「確定140件で+4,782円・確定損益の5.9%」。主役ではない
- ただし長い持ち越しでは為替差損を覆すこともある(実例:−234円 → 差引+609円)
- スワップの説明は一般論より、自分の口座の明細で確かめるのが確実
