レポートは項目が多すぎる

MT5で口座履歴のレポートを出すと、「結果」の欄に数十の項目が並びます。全部の意味を覚える必要はありません。最初は5つで足ります。

このサイトは、MT5が出したレポートをそのまま正本にして数字を作っています。ここではその5つを、実際のレポートの見え方に沿って説明します。

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この記録はOANDA証券のMT5口座で取っています。よく似た注文条件を持つ国内口座として、MT4対応のFXTFヒロセ通商(LION FX)があります。 どちらも1,000通貨から発注でき、注文時に決済指値を付けられます。FXTFはMT4、ヒロセ通商は独自の取引ツールです。

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1. 総損益

その期間に決済が終わった取引の合計です。

一番わかりやすい数字ですが、注意点は1つ。入金と出金は含まれていません。だから「総損益がプラス=口座が増えた」とは限りません。期間中に入金していれば、口座残高はそのぶんも増えています。

自分の成績を見るときは、総損益と入金額を分けて見てください。

2. 総利益 / 総損失

総損益を、プラスの取引とマイナスの取引に分けたものです。

この2つを見ると、勝ちと負けのサイズがわかります。総利益が大きくても、総損失がそれ以上なら、回数が多いだけで前に進んでいません。

3. プロフィットファクター

総利益 ÷ 総損失

1.0を超えていれば確定分の合計はプラス、下回っていればマイナスです。

期間の取り方で大きく変わる数字なので、必ず「いつからいつまでか」とセットで見ます。良い期間だけを切り出せば、いくらでも高い数字が作れてしまいます。

4. 最大ドローダウン

一番調子が良かったところから、どこまで落ち込んだかを示します。

総損益がプラスでも、途中で大きく落ち込んでいれば、そのとき口座を維持できたかどうかは別の話です。最終結果より、この数字のほうが「その運用に耐えられるか」を教えてくれます。

5. 最大の負けトレード

1回でいくら失ったことがあるか。

平均値では見えないものが、ここに出ます。平均損失が小さくても、最大損失が桁違いなら、その1回が起きたときに何が残るかを考える必要があります。

5つに共通する弱点

ここまでの5つには、共通する見落としがあります。

どれも、決済が終わった取引しか数えていません。

いま保有しているポジションの含み損益は、これらの数字のどこにも入っていません。だからMT5のレポートを読むときは、必ず口座画面の次の2つを横に置いてください。

  • 有効証拠金(=残高+含み損益。いま決済したら残る額)
  • 含み損益(保有中のポジションの評価)

レポートの数字が良くても、含み損が大きければ、口座の現状はレポートが示す姿とは違います。逆もあります。

レポートを出す手順(MT5)

見る前に、出し方を書いておきます。

1. MT5を起動し、下部の「ツールボックス」から口座履歴タブを開く 2. 表示期間を選ぶ(「すべての履歴」にすると全期間) 3. 履歴の一覧を右クリック → レポートを選ぶ 4. XLSX または HTML で保存する

XLSXは表計算ソフトでそのまま開けるので、自分で集計するならこちらが扱いやすいです。HTMLはブラウザで開くとグラフつきのレポートになります。MT4でも「口座履歴 → 右クリック → 詳細レポートの保存」でほぼ同じことができます。

期間指定は忘れやすいポイントです。既定では直近の期間しか出ないことがあるので、年初からの数字が欲しいときは期間を明示的に広げてください

実際のレポートで、どこに何があるか

MT5の口座履歴を右クリック→「レポート」で出力すると、XLSXまたはHTMLで保存されます。中身は大きく4つのブロックに分かれています。

ブロック中身何に使えるか
ポジション一覧決済が終わった建玉。建値・決済値・ロット・スワップ・損益が1件ずつ確定損益の集計、勝ち負けの検証
注文出した注文の履歴(約定・取消を含む)指値をどこに置いていたかの検証
約定実際に成立した取引と、入出金(balance行)資金の記録、日別残高の追跡
ポジションいま保有中の建玉含み損益の確認

このサイトの数字は、この4ブロックを分けて読むことで作られています。特に重要なのが、「ポジション一覧」(決済済み)と「ポジション」(保有中)が別物だという点です。

片方だけ読むと、都合のいい記録ができてしまう

このサイトも一度これで間違えました。決済済みだけを読んでいた時期があり、そのとき保有中の11本が記事から完全に見えなくなっていました。「決済済みだけ読む」=「勝ちだけ見える」構造です。批判しているはずの切り取りを、自分でやっていたことになります。

いまは保有中も必ず読み込み、日誌には「保有中」の行として建値つきで出しています(介入時の全建玉)。自分のレポートを見るときも、この2つのブロックを必ず両方開いてください

自分の記録を作るときの最小構成

明細を眺めるだけでは続かないので、この口座がやっている「最小限これだけ残す」構成も書いておきます。

  • 日付・建値・決済値・ロット・損益(この5つがあれば後から何でも計算できる)
  • その日の保有本数と含み損益(確定だけの記録にしないため)
  • 入出金があった日はその金額(残高の増減を利益と混同しないため)

このサイトの月次レポートは、この構成をそのまま記事にしたものです(7月の全決済明細)。表計算ソフトに手で写しても構いませんが、明細から機械的に作るほうが、後で自分を疑わなくて済みます

数字を検算する習慣

レポートから数字を拾ったら、次の3つの検算をすると転記ミスや読み違いに気づけます。

1. 入金合計 + 確定損益 = 残高(合わなければどこかが抜けている) 2. 残高 + 含み損益 = 有効証拠金(レポートの表示と一致するか) 3. 日別の合計 = 月次の合計 = 年間の合計(集計の階層が矛盾していないか)

このサイトは3つ全部を自動で走らせていて、1つでも合わなければ公開しない仕組みにしています。トップページに「データ検算:一致」と出ているのはこの結果です。手作業で数字を書くサイトだと、この検算がそもそもできません。

よくある質問

Q. レポートの数字とMT5の画面の数字が合いません。 よくあるのは3つです。①レポートの期間指定が違う ②「決済済み」と「保有中」のどちらを見ているかが違う ③スワップや手数料を含めているかどうかが違う。このサイトは損益+スワップ+手数料を合算した値を「確定損益」と呼んでいます。

Q. 時刻が自分の感覚とずれています。 MT5のサーバー時間で表示されているためです。日本時間とは夏で6時間、冬で7時間ずれます(時刻の読み方)。日付の区切りもこの時計なので、「深夜の取引」が翌日扱いになることがあります。

Q. 口座番号が入っているファイルを人に見せても大丈夫ですか? レポートのファイル名やヘッダには口座番号や口座名が入ります。このサイトは口座番号と口座名を公開しない方針で、生成する数字からも除外しています。共有する場合はその部分を消してからにしてください。

Q. 業者を変えたら記録は続けられますか? MT4/MT5系なら同じ形式で出力できます。それ以外の口座では明細の形式が変わるので、自分の集計方法を作り直す必要があります。長く記録を残すつもりなら、明細の出しやすさも口座選びの条件になります(口座選びの条件)。

まとめ

数字見えるもの見えないもの
総損益確定分の合計入出金/含み損益
総利益・総損失勝ち負けのサイズ含み損益
プロフィットファクター確定分の効率期間の切り取り/含み損益
最大ドローダウン落ち込みの深さ含み損益
最大の負けトレード1回の最悪値頻度

5つを見て、そのあと有効証拠金と含み損益を見る。この順番なら、レポートに書いてあることと書いていないことの両方がわかります。