この記事について

2026年7月31日から今日8月3日にかけて、ドル円市場で15年ぶりの出来事が起きています。前半は報道ベースの事実整理、後半はこの口座(損切りしないドル円買いグリッド)が実際にどうなっているかを、8月3日のMT5レポートからそのまま出します。ポジションを持ったまま大変動を食らった口座の中身を、建値つきで公開している記事はそう多くないはずです。

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何が起きたか(報道ベースの整理)

  • 7月31日:ドル円が164円に迫る円安が進む中、片山財務相が米国財務省と協調のうえ円買い介入を実施したと明らかにした。直前の高値は163円65銭近辺
  • 日米の協調介入は2011年3月(東日本大震災後)以来、約15年ぶり
  • 8月2日:日米が円安阻止に向けた共同声明
  • 8月3日:東京市場でドル円は一時155円20銭近辺まで下落し、約3か月ぶりの円高水準に。介入前の高値からの下げ幅は8円超
  • ベッセント米財務長官は、円相場が再び無秩序に動けば協調介入を繰り返す用意があると表明

出典:時事通信(日米、円安阻止へ共同声明)みんかぶFX(約3か月ぶり円高水準、日米協調介入公表)外為どっとコム(ドル円見通し 2026年8月3日)

円買い介入とは

財務省の判断で、国が持つ外貨(ドル)を売って円を買い、円安を止めにいく操作です。実務は日本銀行が行います。日本単独ではなく米国と協調して行うと市場へのメッセージが格段に強くなる——今回15年ぶりにそれが起きた、というのが今週の核心です。

この口座はこう受けた(2026.08.03 18:31のレポートから)

この口座は「50銭刻みの買い下がり・損切りなし」のドル円買いグリッドです(運用の説明はこちら)。買いしか持っていない口座に、8円超の円高。結果がこれです。

項目8月3日時点
保有ポジション12本(すべて買い・0.01〜0.02ロット)
評価損益−47,706円(別途未収スワップ+168円)
残高1,047,662円
有効証拠金1,000,124円
証拠金維持率約884%

保有12本の中身(建値順・そのまま)

建てた日時建値数量決済指値評価損益
07.30 13:14162.9980.01163.5−6,012円
07.30 16:36162.4920.01163.0−5,506円
07.30 16:36162.0090.01162.5−5,023円
07.30 16:37161.5050.01162.0−4,519円
07.30 16:38160.9760.01161.5−3,990円
07.31 03:39160.5020.01161.0−3,516円
07.31 09:04160.4970.02161.0−7,022円
07.31 20:09159.5010.02160.0−5,030円
07.31 20:27158.9990.02159.5−4,026円
07.31 23:33157.9960.02158.5−2,020円
07.31 23:58157.4840.02158.0−996円
08.03 03:28157.0090.02157.5−46円

(市場価格156.986。表の時刻・日付はMT5サーバー時間のままです。日本時間は+6時間=時刻の読み方

この表には2つの事実が写っています。

1つ目:急落前後に上で買った玉が、取り残されている。 7月30日に160.9〜163.0円で建てた5本と、下落の途中の160円台で買った2本——合わせて7本は、決済指値まで4〜6.5円の距離があります。損切りしない設計なので、戻るまで持ち続けることになります。

2つ目:暴落の最中も、グリッドは機械的に買い続けた。 明細の7月31日23:33と23:58——日本時間では8月1日早朝、NY市場が週末のクローズを迎える直前——にも157円台を買い、週明け8月3日にも157.009円を買っています。相場観で止めたり増やしたりはしていません。50銭刻みに置いた指値が、順番に約定しただけです。

下には指値のラダーが並んでいる

レポートの注文欄には、156.5円から150.0円まで50銭刻みの買い指値が既に並んでいます。このうち150〜153円の指値は今年3月末〜4月に置いたもので、置いた当時は遠い保険でした。それがこの1週間で現実の射程に入りました。さらに下がればこの口座は買い続け、含み損は増えます。それがこの設計です。

この12本が、これからどうなりうるか(3つの分岐)

予想はしませんが、構造上あり得る分岐は書けます。どれになるかは分かりません。

分岐1:戻る——ドル円が160円台に戻れば、上の7本は決済指値(161.0〜163.5円)に順に触れて確定利益に変わります。過去には約38日(37日20時間28分47秒)保有して決済した建玉もありました。旧表記「39日」は2026年9月15日に原明細の時刻差から訂正しています(その記録)。この場合、いまの含み損−47,358円は「消えた」ことになります。

分岐2:横ばい——155〜158円のレンジが続けば、下の5本は決済と再設置を繰り返して細かい利益を積みますが、上の7本は動かないままです。含み損は高止まりし、スワップだけが少しずつ積み上がります。この口座にとっては、いちばん退屈で、いちばん長引く分岐です。

分岐3:さらに下げる——150〜153円に置いてある指値が順に約定し、保有本数が増えます。含み損と必要証拠金が同時に増えるので、維持率は加速度的に下がります(その仕組み)。この口座がいちばん警戒しているのはこの分岐で、対処法は「サイズを小さく保つ」以外にありません。

どの分岐でも、この日誌の書き方は変わりません。数字をそのまま出します。

介入相場で個人が踏みやすい3つの罠(この口座が踏まなかった理由も含めて)

罠1:介入に乗ろうとして飛び乗る 「介入が入った、下がる方に乗ろう」は、方向を当てにいく行為です。介入の効果がどこまで続くかは事前に誰にも分かりません。この口座が踏まなかったのは賢いからではなく、そもそも方向を判断する機能がないからです。指値が置いてあるだけの仕組みには、飛び乗るという動作が存在しません。

罠2:荒れた相場でサイズを上げる 値動きが大きい=チャンスに見える局面ですが、同じサイズでも損益の振れ幅は数倍になります。この3営業日、この口座のサイズは0.01〜0.02ロットのまま一度も変えていません(全建玉の一覧)。値動きが大きい時こそ、サイズは据え置きか、むしろ落とす方が計算に合います。

罠3:含み損を見て、設計を途中で変える −47,358円を見て「やっぱり損切りしよう」と決めるのは、設計の変更です。損切りする設計なら最初から損切り幅を決めておくべきで、含み損を見てから切り替えるのはいちばん悪い時期に、いちばん不利な形で設計を変える行為になります。この口座の最大の負けも、ルールの外に出た日に生まれました(その日の明細)。

正直な注意書き

  • 維持率884%は当面の強制決済リスクが低いという意味ですが、無限に耐えられるという意味ではありません。さらに円高が進めば含み損は数量を増やしながら膨らみます
  • この記事の数字は8月3日18:31のレポートのものです。サイト全体の数字も同日18:42の明細に同期済みです。急落の最中に成立した決済の記録は続編の記事7月の月次レポート(全決済明細)にまとめました
  • 介入がこの後どうなるかは、わかりません。わからないので、この口座は予想をせず、記録を出し続けます

まとめ

  • 7月31日に15年ぶりの日米協調円買い介入。ドル円は163円台→一時155円台
  • 買いグリッドのこの口座は12本・評価損−47,706円を抱えて週明けを迎えた
  • それでも設計どおり、暴落の夜も機械的に買った。この続きは運用日誌で毎日出します