この記事について
前編(15年ぶりの日米協調介入をこう受けた)の続きです。前編は「抱えたもの」=保有12本と評価損の話でした。後編は急落の最中に実際に成立した決済の話です。数字はすべてMT5の取引明細(2026.08.03 18:42同期)から。時刻・日付は明細(MT5サーバー時間)のまま。日本時間は+6時間です(時刻の読み方)。
為替介入や円相場の材料を理解することと、取引口座を選ぶことは別です。 実際に取引するなら、最小取引単位・ロスカット基準・発注ツールを先に比較してください。 1,000通貨から取引できるFXTF
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は 条件が同じではありません。相場材料だけを理由に申込・売買せず、各社の公式条件を確認してください。
3営業日の決済サマリ
| 日 | 決済件数 | 確定損益 |
|---|---|---|
| 7月30日(急落が始まった日) | 8件 | +4,114円 |
| 7月31日(協調介入が公表された日) | 14件 | +10,425円 |
| 8月3日(週明け) | 3件 | +2,527円 |
| 合計 | 25件 | +17,066円 |
7月31日の14件は、この口座の2026年の1日として最多です(2番目に多い日は9件)。暴落の日に、なぜ決済(=利益確定)が最多になるのか。
なぜ暴落の最中に利益が出るのか
このグリッドは「50銭下がるごとに買い、それぞれ建値+50銭に決済指値を置く」を機械的に繰り返します(運用の説明)。
一方向にただ落ちるだけなら、買いが積み上がるだけで決済は起きません。しかし実際の急落は乱高下でした。大きく下げては1円近く戻す。その戻りのたびに、「下で新しく買った玉」の+50銭が成立する。7月31日の明細を見ると、買ってから決済まで17分・30分・36分という玉が並んでいます(全14件の建値・決済値は7月の月次レポートに)。
つまり正確に言うと、稼いだのは「暴落」ではなく「暴落に伴う乱高下」です。そして稼いだのは新しく安く買った玉だけで、急落前に上で買った玉は1円も返ってきていません。
一番下で拾った1本の実録
週明け8月3日、東京市場の朝9時43分ごろ(明細ではサーバー時間03:43)、ドル円が155円台まで突っ込んだ場面で、以前から下に置いてあった155.5円の買い指値が155.498円で約定しました。その14分後、戻りで156.009円の決済指値が成立。+511円。
置いたときには遠い保険だった指値が、歴史的な介入の底近くで拾って、勝手に仕事を終えていました。相場観は1ミリも入っていません。指値がそこにあっただけです。
3営業日を時系列でたどる
日ごとに何が起きていたかを、明細の順に並べます(時刻はサーバー時間)。
7月30日:急落の始まり まだ介入は公表されていない段階。ドル円は163円台から下落を始め、この口座は上の建値で買った玉を抱えつつ、下がるたびに新しい指値が約定していきました。決済は8件・+4,114円。この日に建てた160.9〜163.0円の5本が、いまも保有中の「上の7本」の主力です。
7月31日:介入公表日、決済14件 公表を受けて相場は乱高下。この日だけで決済14件・+10,425円と、2026年で最も決済が多い日になりました。買ってから17分・30分・36分で決済された玉が並び、日付が変わる直前(日本時間8月1日の早朝、NYクローズ直前)にも157円台を2本買っています。
8月3日:週明け、155円台へ 東京市場の朝に155円台前半まで突っ込み、以前から置いてあった155.5円の指値が約定。14分後に156.009円で決済され+511円。この日の決済は3件・+2,527円でした。
3日間を通して、この口座が新しく決めた判断は1つもありません。指値は全部、急落の前から置いてあったものです。
「介入で儲けた」ではない、という確認
+17,066円という数字だけを見ると、介入で儲けたように見えます。正確に言うと違います。
- 稼いだのは下で新しく買った玉(急落の途中と底で拾った分)
- 一方、急落前に上で買った7本は1円も返ってきていない。むしろ−35,508円の評価損を抱えている
- 差し引きすると、この3営業日で口座の実力値(有効証拠金)は減っています
つまりこの期間の正しい要約は「確定利益は増えたが、口座の実力値は減った」です。確定損益だけを追いかけると、この期間を「良い週」と誤読します(3つの数字の違い)。
決済25件の分布(どの価格帯で成立したか)
25件がどこで成立したかを見ると、この形の動き方が分かります。
- 160円台での決済:急落の初日、まだ高い水準で往復した分
- 158〜159円台:31日の乱高下で最も多く成立した帯。14件の決済の中心はここ
- 156〜157円台:週明け8月3日。底に近い場所で拾って、戻りで決済
決済は「価格が下がっていく途中の各段」で発生しています。下がりながら往復するたびに、その段で買った玉が+50銭で決済される——グリッドが階段を降りながら小銭を拾っていく形です。
一方で、160円より上の建値の玉には決済が1件も発生していません。価格がそこまで戻っていないからです。同じ口座の中で、動いている部分と完全に止まっている部分が同時に存在しています。
この記録から学べること(と、学べないこと)
学べること - 急落局面でも、下方向に指値を置いてある口座は決済が発生する(値動きが往復すれば) - 決済の頻度は相場の振れ幅に比例する。7月31日の14件は、この口座の2026年最多 - 確定利益と口座の実力値は別方向に動くことがある。この3日間がその実例
学べないこと - この形が次の急落でも同じように機能するかどうか。一方通行で下げ続ければ決済は止まります - 介入がこの後どうなるか。予想はしません(公式情報の追い方) - 「急落は買い場」かどうか。この口座は判断していないので、判断の是非を語る材料を持っていません
記録は「何が起きたか」を示しますが、「次はどうなるか」は示しません。この区別を曖昧にしないことが、記録サイトとしての最低条件だと考えています。
この3日間で、設計について確認できたこと
歴史的な急変は、設計の弱点と強みを同時に見せてくれました。
確認できた強み - 判断を挟まないので、パニックによる操作ミスが起きなかった - 事前に置いた指値が、想定どおりに機能した(155.5円の指値は3月に置いたもの) - サイズが小さかったので、維持率884%を保てた(計算)
確認できた弱点 - 上で買った玉に対して、打つ手が何もない。戻るまで待つしかない - 下げ続ければ買い続ける設計なので、含み損と必要証拠金が同時に増える - 相場が一方通行なら、決済は止まって含み損だけが積み上がる
強みと弱点が同じ性質から出ていることが分かります。「判断しない」ことが、パニックを防ぎつつ、機動的な対応もできなくしている。どちらか片方だけを選ぶことはできません。
まとめ
- 急落の3営業日、グリッドは25件の決済で+17,066円を確定した。稼いだのは暴落ではなく乱高下
- 同時に含み損は−47,358円へ。利益と含み損は同じ設計から同時に生まれている
- この続きは運用日誌で毎日、数字ごと出し続けます
