この記事について

FXの含み損とは、保有中のポジションを現在の価格で評価したときに出ている、まだ確定していないマイナスです。決済するまでは残高に反映されませんが、有効証拠金と証拠金維持率にはすでに影響します。

「含み損をどうすればいいか」という個別の助言はできません(このサイトは投資助言をしません)。代わりに、含み損を「気にしない」で済ませず、同じ立場の実口座がどう抱え、何を見ているかを示します。建玉別の表は、出力欄に2026年8月3日18:40と記されたMT5原明細から再集計しました。後半の口座全体の比率は8月8日の保存記録です。2つの時点を同じ明細として扱わないよう、各節に日付を付けています。

2026年9月15日訂正: 旧版は8月3日の建玉日付と8月8日の口座全体の数字を混在させ、11本という説明に対して明細表は10行でした。8月8日の欠落行を推定で足さず、建玉表を原明細で確認できる8月3日の12本へ置き換えました。8月8日の口座全体の記録は、別時点の記録として残しています。

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証拠金維持率が何%でロスカットされるかは、FX会社ごとに違います(50%〜100%が中心)。 同じ含み損でも、水準が違えば強制決済されるかどうかが変わります。この記録はOANDA証券のMT5口座で取っていますが、同じく1,000通貨から発注できる国内口座としてFXTFヒロセ通商(LION FX)があります。ロスカット水準は口座を開く前に必ず確認してください。

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含み損とは何か。2つの事実を同時に持つ

保有中のポジションの評価上のマイナスです。決済するまで損失は確定しません。ここから、矛盾して見える2つの事実が同時に成立します。

  • 相場が戻れば消える。ただし戻る保証はどこにもない
  • 決済しない限り残高は減らないが、有効証拠金(口座の実力値)はいま減っている

「確定していないから損じゃない」派と「もう実質的に損している」派の論争をよく見ますが、どちらも半分正しく、半分だけ見ると判断を誤ります。含み損は「まだ確定していない」と「もう効いている」の両方です。

この口座の含み損の中身(8月3日の原明細)

価格差損益の合計は−46,248円。未収スワップ+168円を加えたネットの含み損益は−46,080円です。12本・18,000通貨を建値帯で分けます。損失のある建玉だけでなく、含み益のある1本も含む全保有分です。

建値帯本数価格差損益
160円台〜162円台7本−34,940円
157円台〜159円台5本−11,308円
合計12本−46,248円

1本ずつ開くと、こうなっています。原明細の市場価格は全行157.067円。数量は通貨単位、損益はスワップを含まない価格差です。

建値数量価格差損益
162.9981,000通貨−5,931円
162.4921,000通貨−5,425円
162.0091,000通貨−4,942円
161.5051,000通貨−4,438円
160.9761,000通貨−3,909円
160.5021,000通貨−3,435円
160.4972,000通貨−6,860円
159.5012,000通貨−4,868円
158.9992,000通貨−3,864円
157.9962,000通貨−1,858円
157.4842,000通貨−834円
157.0092,000通貨+116円

価格差損益の合計(含み益+116円を含む)の絶対額に対して、上の7本の損失は34,940円 ÷ 46,248円 = 約75.5%です。下の5本も合計ではマイナスですが、157.009円の1本だけは+116円でした。この割合は8月3日の評価価格で計算したもので、8月8日の保有内訳を示すものではありません。

含み損は一枚岩ではない——どの建値の玉がいくら抱えているかに分解できます。8月3日の残高1,047,662円にネットの含み損益−46,080円を加えると、有効証拠金1,001,582円となり、原明細と一致します。

含み損の「重さ」を測る3つの物差し(8月8日の保存記録)

金額の絶対値だけでは、その含み損が重いのか軽いのか判断できません。ここからは、8月8日に保存した口座全体の記録(残高1,053,519円・有効証拠金1,015,352円・含み損益−38,167円)を使います。前節の8月3日の12本へ、この含み損益を割り振ることはしません。

物差し1:有効証拠金に対する比率 −38,167円 ÷ 有効証拠金1,015,352円 = 約3.8%。口座の実力値の3.8%が評価損として沈んでいる状態です。同じ−38,167円でも、有効証拠金20万円の口座なら19%——重さがまるで違います。

物差し2:維持率をいくら押し下げているか 含み損がゼロだった場合の維持率は 1,053,519 ÷ 100,900 = 約1,044%。2026年8月8日時点の実際値は1,006%なので、同日時点の含み損は維持率を約38ポイント押し下げている計算です(維持率の読み方)。この「押し下げ幅」が加速度的に増え始めたら、サイズが相場に対して大きすぎるサインです。

自分の通貨量と値幅で損益額を確かめる場合は、FXの損益・必要証拠金計算で条件を変えて概算できます。

物差し3:月の確定利益の何か月分か 比較する期間を、完了した月だけの2026年1〜7月に固定します。この期間の確定損益は合計73,015円、月平均は73,015円 ÷ 7 = 約10,431円です。8月8日時点の含み損益−38,167円の絶対額は、この月平均の約3.7か月分に相当します。月の途中の8月分は平均に含めていません。この比較は当時の損失規模を測るもので、将来も同額を稼げることや、3.7か月で回復することを意味しません。

価格差はマイナスでも、スワップ込みではプラスだった実例

この口座の2026年の記録には、約38日保有した建玉があります。原明細のサーバー時刻で1月23日18:48:51に157.496円で建て、3月2日15:17:38に157.418円で決済。経過時間は37日20時間28分47秒です。3,000通貨の価格差損益−234円にスワップ合計+843円を加えて、差し引き+609円でした(原明細の時刻とスワップ実額)。価格が建値まで戻った例ではなく、スワップを合わせた結果がプラスになった例です。旧表記の「39日間・39日分」は9月15日に訂正しました。

一方で、この記事が参照する2026年8月上旬までの記録には、「長期間保有した後、戻らずに損切りした」という反例をここでは示せていません。記録期間が約7か月と短いことは、将来戻る保証にはなりません。含み損が拡大し、必要な証拠金を維持できなくなる可能性もあります。現在の記録は最新の運用日誌で別途確認してください。

8月3日の12本は、いつ建てたのか

含み損は金額だけでなく時間でも効いてきます。8月3日の原明細にある12本の建玉日を、記載どおりのMT5サーバー日付で数えると——

  • 7月30日建て:5本
  • 7月31日建て:6本
  • 8月3日建て:1本

合計は5+6+1=12本です。これはJSTで集計した日別件数ではありません(サーバー時刻とJSTの読み方)。また、この建玉日付だけから8月8日時点の保有日数を計算しません。途中に決済や新規建てがあるためです。持ち越しには、資金が拘束され続けるコストもあります。

FXの含み損はどうする?放置と計画的な保有を分ける

やっていることは3つだけです。いずれも「そうしている」という記録であって、推奨ではありません。

1. 切らない。損切りしない設計で始めた口座なので、途中で急に切らない。設計を感情で変えることが一番高くつくのは、『デイトレード』の大罪③「時間軸のすり替え」の逆パターンとして本にも書かれています 2. ロットを小さく保つ。8月8日の保存記録では合計16,000通貨、有効証拠金1,015,352円、維持率1,006%でした。前節の8月3日の18,000通貨とは別時点です。この維持率は当時の値で、将来の安全性を保証する数字ではありません 3. 毎日書く。含み損を隠すと自分の認知が歪むので、このサイトに毎日そのまま出す。一番危ないのは「いくら抱えているか自分でも直視していない」状態だと考えています

よくある質問

Q. 含み損は放置でいいのでしょうか? 「放置」と「計画的に持つ」は違います。この口座は建てる前から「50銭刻み・建値+50銭で決済・サイズはこの密度まで」と決めてあり、含み損はその設計の想定内です。設計なしで抱えた含み損を後から「長期投資だから」と言い換えるのは、放置というより設計の不在です。どちらなのかは、建てる前に決めてあったかどうかで分かれます。

Q. ナンピンで建値を下げるべきですか? この口座の買い下がりは結果的にナンピンに似ていますが、間隔(50銭)とサイズ(0.01〜0.02ロット)が事前に固定されている点が違います。含み損が痛いからその場の判断で買い増して平均建値を下げる行為は、痛みを一時的に薄める代わりにサイズを無計画に膨らませます。すすめる・すすめないではなく、「事前に決めていない買い増しは、設計ではなく鎮痛剤」とだけ書いておきます。

Q. 含み損に税金はかかりますか? 個人の国内FX口座の未決済の評価損益は、通常、課税対象に含めません。 含み損をそのまま確定利益から差し引くこともできません(FXTFの個人口座向け公式説明)。国税庁の案内は、国内の登録業者との取引など、対象となるFXの差金等決済で生じた損益について申告分離課税を説明しています。法人や対象外の取引へ一律に当てはめる説明ではありません。

ただし、ポジションが未決済でも、別に確定したスワップは区別します。 例えばJFXの個人向けFAQは、スワップ振替で確定させた損益は申告対象と案内しています。「未決済なら何も申告対象にならない」とは判断せず、利用口座の年間損益報告書と含み損益・スワップの整理を確認し、個別の申告は税務署または税理士へ相談してください。税の説明は2026年9月15日に公式情報を確認しました。

Q. 維持率は足りていても、精神的にきついときは? 数字で答えられない質問ですが、この口座の答えは「きつさを感じるならサイズが大きい」です。維持率1,006%でも夜眠れないなら、その維持率はその人にとって足りていません。計器が緑でも体が赤信号を出すことはあります。

まとめ

  • 含み損は「まだ確定していない」と「もう効いている」の両方。片方だけ見ない
  • 8月3日の12本は価格差−46,248円、スワップ込み−46,080円。上の7本の損失は、含み益も含めた価格差損益合計の絶対額の約75.5%
  • 重さは3つの物差しで測る:有効証拠金比3.8%・維持率押し下げ38pt・2026年1〜7月の月平均確定損益の約3.7か月分
  • 約38日保有した実例は、価格差−234円にスワップ+843円を加えて+609円。価格が建値まで戻った例ではなく、約7か月という当時の短い記録から将来の回復は保証できない
  • この口座の扱いは「切らない・小さく持つ・毎日書く」。続きは運用日誌で毎日