結論:個人の未決済ポジションの含み損益は、通常は課税対象外
個人の国内FX口座では、年末に持ち越した未決済ポジションの評価益・評価損は、通常その年の課税対象に含めません。1月1日から12月31日までに決済して確定した損益を確認します。
ただし、次の4つは分ける必要があります。
1. 決済して確定した為替差損益 2. 確定したスワップポイント 3. 未決済ポジションの含み損益 4. 入金・出金
このサイトの実口座では、2026年8月16日時点で確定損益が+89,871円、未決済9本の含み損益が−15,793円です。口座の実力値を見るときは両方を合算しますが、税務上の確定損益と口座の有効証拠金は同じ数字ではありません。
この記事は日本国内のFX会社を使う個人の一般的な整理です。法人、海外業者、他の所得や損失、必要経費、スワップの確定方法によって扱いが変わります。最終的にはFX会社の年間損益報告書を確認し、判断に迷う場合は税務署または税理士へ確認してください。
年間損益報告書の項目や、未決済スワップが確定する時点は口座ごとに確認が必要です。 この記録はOANDA証券のMT5明細で検算しています。1,000通貨から取引できる国内口座にはFXTF
やヒロセ通商(LION FX)
があり、 申込前に年間帳票の取得方法と取引履歴の出力方法も公式画面で確認できます。
国税庁は「差金等決済で生じた損益」を説明している
国税庁「外国為替証拠金取引(FX)の課税関係」は、FXの差金等決済により生じた損益の課税関係を案内しています。
国内の登録業者との個人FXで差益が生じた場合は、他の所得と区分した「先物取引に係る雑所得等」として申告分離課税になります。所得税15%、地方税5%に加え、2037年分までは復興特別所得税がかかります。
差損は、他の「先物取引に係る雑所得等」と損益通算できますが、給与所得など別区分の所得とは通算できません。通算しても残る損失は、一定の要件を満たして確定申告を続けると翌年以後3年間の繰越控除の対象になり得ます。
ここで重要なのは「画面に損益が表示されたか」ではなく、決済して年間損益へ入ったかです。
FX会社の公式FAQでも、未決済の評価益は対象外
JFXの公式FAQは、個人の未決済ポジションの評価益は課税対象ではなく、1月1日から12月31日までの取引で確定した損益が対象と回答しています。
FXTFの期間損益報告書の公式説明も、個人口座の未決済ポジションの評価損益は課税対象ではないと案内し、確定申告には報告書の実現損益合計とキャッシュバック累計額を使うと説明しています。
含み益だけでなく、含み損も同じです。年末時点で未決済なら、含み損をその年の確定利益から自由に差し引くことはできません。損失をその年に確定させるには実際の決済が必要ですが、税金だけを理由に売買すべきかは別の判断です。
実口座では「確定」と「未確定」でこれだけ違う
このサイトのMT5明細と口座残高を、2026年8月16日11:03時点で分解すると次のとおりです。
| 項目 | 金額 | 税務との関係 |
|---|---|---|
| 年初残高 | 372,120円 | 元からある資金 |
| 2026年の入金 | +600,000円 | 取引利益ではない |
| 決済済み145本の為替差損益 | +84,901円 | 確定損益側 |
| 決済済みのスワップ | +4,970円 | 確定損益側 |
| 手数料 | 0円 | 明細上の実額 |
| 確定損益合計 | +89,871円 | 年間途中の暫定集計 |
| 現在残高 | 1,061,991円 | 年初+入金+確定損益 |
| 未決済9本の価格差損益 | −16,884円 | 評価損益側 |
| 未決済9本のスワップ | +1,091円 | 口座仕様の確認が必要 |
| 未決済の評価損益合計 | −15,793円 | 決済前の含み損益 |
| 有効証拠金 | 1,046,198円 | 残高+含み損益 |
現在残高の計算は次のとおり一致します。
372,120円 + 600,000円 + 89,871円 = 1,061,991円一方、有効証拠金は次の計算です。
1,061,991円 − 15,793円 = 1,046,198円口座の安全性を見るなら有効証拠金が重要です。しかし、確定申告でそのまま使うのは有効証拠金ではありません。入金60万円を利益に足さず、未決済の−15,793円を確定損益から勝手に引かないことが要点です。
含み損があるのに、確定利益へ税金がかかることはある
この口座のように、確定利益+89,871円と含み損−15,793円が同時に存在することがあります。さらに含み損が大きくなり、口座全体では年初より減って見えても、決済済みの利益が残っていれば課税関係は別に確認します。
逆に、含み益が大きくても未決済なら、その評価益をその年の確定利益へ足さないのが個人口座の基本です。翌年に決済すれば、実際に確定した年の年間損益へ入ります。
年末だけを見て決めるのではなく、次の3つを別々に出します。
- 年間損益報告書の確定損益
- 12月31日時点の未決済評価損益
- 入出金の合計
残高・含み損益・有効証拠金の違いは口座の本当の姿はどの数字かで詳しく分けています。
未決済ポジションのスワップは口座仕様を確認する
スワップはFX会社や口座によって、ポジションを決済するまで評価損益として積み上がる場合と、ポジションを閉じなくても日々確定して残高へ反映される場合があります。
OANDA証券の取引説明書は、対象口座のスワップについて、ロールオーバー時に含み損益として計上し、ポジション決済時に確定損益となる扱いを説明しています。同社は年間損益報告書のダウンロード方法も案内しています。
この実口座の保有9本に表示される+1,091円は、MT5明細では未決済ポジション側にあります。この記事の+89,871円へは加えていません。ただし、別会社・別口座で同じ表示になるとは限りません。申告時は自分の年間損益報告書に入っているスワップ額を優先します。
年末にポジションを持ち越したら何を保存する?
1. FX会社の年間損益報告書をダウンロードする 2. 口座を複数持つ場合は、各社分を揃える 3. 未決済ポジション一覧を年末時点の記録として保存する 4. 入出金履歴を保存し、利益と混ぜない 5. 必要経費にする支出は領収書と用途を残す 6. 損失を繰り越す場合は、期限内の申告要件を確認する
OANDA証券は、年間損益報告書を口座ごと・年ごとにマイページから取得できると案内しています。MT4・MT5の取引明細だけで申告額を決めず、会社が発行する年間帳票と突合します。
自分で明細を検算する手順はMT5レポートで見る5つの数字、複数口座の公式ルールはFX口座は複数持てるかにまとめています。口座ごとの取引単位・ツールは公式条件の比較で確認できます。
まとめ
- 個人の未決済ポジションの評価益・評価損は、通常その年の課税対象外
- 国内FXの差金決済による損益は「先物取引に係る雑所得等」の申告分離課税
- 実口座では確定+89,871円と未決済−15,793円が同時に存在する
- 入金は取引利益ではなく、含み損は確定損失ではない
- 未決済スワップの確定方法は口座仕様が違うため、年間損益報告書を優先する
- 法人・海外業者・個別事情は扱いが異なるため、最終判断は税務署または税理士へ確認する
