勝率は「決め方」で動く
FXの成績で真っ先に目に入るのが勝率です。90%を超える数字を見ると、それだけで強く見えます。
ただ、勝率には落とし穴があります。勝率は、負けをいつ確定させるかで大きく変わるからです。
勝率の分母に入るのは、決済が終わった取引だけです。まだ持っているポジションは、どれだけ含み損を抱えていても、まだ勝ちにも負けにも数えられていません。
つまり、利益が出たものだけを決済して、含み損が出たものを持ち続ければ、勝率は自動的に上がっていきます。腕が上がったからではなく、負けをまだ確定させていないからです。
実際に起きる形
このサイトが公開している口座の2026年の成績は、こうなっています。
- 確定利益:+75,556円
- 確定損失:−2,541円
- 決済結果:129勝2敗
勝率にすると98%を超えます。ただし同じ時点で、決済していないポジションの含み損益は −41,012円 です。
確定した損失は2,541円ですが、まだ確定していない損失が41,012円ある。勝率98%という数字は、この41,012円を一切見ていません。
これは特別なことではなく、損切りをしない運用をすれば誰の口座でもこうなります。数字がうそをついているのではなく、勝率という指標がそもそも未確定分を見ない設計なのです。
ではどこを見るか
勝率のかわりに、次の3つをセットで見ると実態がつかめます。
1. 有効証拠金
有効証拠金=残高+含み損益。いま全部のポジションを決済したら手元に残る金額です。口座の現状に一番近い数字がこれです。
2. 平均利益と平均損失の差
勝率が高くても、1回の負けが1回の勝ちより大きければ、取引全体では減っていきます。
- 平均利益 × 勝った回数
- 平均損失 × 負けた回数
この2つを比べると、勝率だけでは見えない形が出てきます。
3. プロフィットファクター
プロフィットファクター = 総利益 ÷ 総損失
1.0を超えていれば、確定分の合計はプラスです。ただしこれも確定した取引だけで計算されるので、勝率と同じ弱点を持っています。含み損を抱えたまま良い数字が出ることがあります。
だから、プロフィットファクターを見るときも、同じ時点の含み損益を横に置く必要があります。
まとめ
- 勝率は「負けをいつ確定させるか」で動く。腕とは別の要素で上下する
- 損切りをしない運用では、勝率は自然に高くなる
- 確定損益・勝率・プロフィットファクターは、すべて未確定分を見ていない
- 実態を知りたいなら、有効証拠金と含み損益を必ず並べて見る
他人の成績を見るときも、自分の口座を見るときも、同じです。良い数字が出ている場所ではなく、その数字が何を数えていないかを見ると、形がわかります。