結論:口座ごとに申告するのではなく、同じ年・同じ所得区分の確定損益を集める

国内FXを複数口座で取引した場合、口座A、口座Bを別々の確定申告書にするのではありません。まず各FX会社・各口座の年間損益報告書を揃え、同じ「先物取引に係る雑所得等」に入る確定損益を合計して申告します。

最初に、間違えやすい結論を表にします。

よくある判断正しい確認方法
20万円以下かを口座ごとに判定する対象となる所得を口座・会社をまたいで集計する
黒字口座だけ申告する同じ区分で損益通算できる赤字口座も含める
残高や入金額を合計する年間帳票の確定損益、確定スワップ、手数料等を確認する
含み損で黒字口座の利益を減らす未決済の評価損益と決済済み損益を分ける
国内FXと海外FX、暗号資産を全部まとめる税務上の所得区分を確認し、異なる区分を混ぜない

国税庁「先物取引に係る雑所得等の課税の特例」は、対象となる先物取引の差金等決済で生じた損失について、他の「先物取引に係る雑所得等」と損益通算できると案内しています。一方、この区分以外の所得とは損益通算できません。

この記事は、日本の金融商品取引業者を通じた個人の国内FXを前提にします。海外FX、法人取引、相続、事業として行う取引などは扱いが異なる可能性があるため、同じ表へ自己判断で混ぜないでください。

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年間損益報告書の項目や、未決済スワップが確定する時点は口座ごとに確認が必要です。 この記録はOANDA証券のMT5明細で検算しています。1,000通貨から取引できる国内口座にはFXTFヒロセ通商(LION FX)があり、 申込前に年間帳票の取得方法と取引履歴の出力方法も公式画面で確認できます。

FXTFの公式サイトを見るヒロセ通商の公式サイトを見るJFXの公式サイトを見る

Googleの検索候補に「FX 複数口座 確定申告 書き方」が出る

2026年8月19日にGoogleの検索候補を実測すると、「FX 複数口座 確定申告」と「FX 複数口座 確定申告 書き方」が表示されました。また、「FX 複数口座 損益通算」も候補に出ます。

検索者が迷っているのは、主に次の4点です。

1. 複数口座の利益と損失を相殺できるか 2. 20万円以下かを口座ごとに見るのか 3. e-Taxへ会社ごとに入力するのか、合計だけを入れるのか 4. どの帳票を手元に保存するのか

口座を複数持てるかという会社側のルールはFX口座は複数持てる?で分けて確認できます。この記事では、実際に複数口座を使った後の年末集計に絞ります。

損益通算の計算例:黒字30万円、赤字15万円なら差額は15万円

次は説明用の仮定であり、このサイトの実口座成績ではありません。

国内FX口座年間の確定損益
A社口座+300,000円
B社口座−150,000円
C社口座+20,000円
同じ区分の合計+170,000円
300,000円 − 150,000円 + 20,000円 = 170,000円

この例では、A社だけを見ると20万円を超えていますが、同じ所得区分に入る3口座を合計すると17万円です。反対に、A社12万円、B社9万円なら、各口座は20万円以下でも合計は21万円です。

ただし、17万円になったから全員が所得税の確定申告不要になるわけではありません。国税庁「給与所得者で確定申告が必要な人」が示す20万円以下の取扱いは、給与収入2,000万円以下、1か所から給与を受け、年末調整済みなどの条件を満たす一定の給与所得者について、給与・退職所得以外の所得金額の合計を見る制度です。

FX以外の副業所得がある場合も合計で確認します。医療費控除などのため確定申告をするなら、20万円以下の所得も申告に含めます。所得税の申告を省略できても住民税申告が必要になることがあるため、詳しい分岐はFX利益20万円以下なら確定申告は不要?で確認してください。

先に作る口座一覧:休眠口座も対象年の取引を確認する

年末に記憶だけで口座を探すと、少額の確定スワップや以前使った口座を落としやすくなります。まず、次の列を持つ一覧を作ります。

確認列記録する内容
FX会社・サービス名会社内で複数サービスがあれば分ける
口座番号の末尾個人情報を広く共有せず、自分が識別できる範囲
対象年の取引有無決済、スワップ確定、手数料、入出金調整など
年間帳票名損益計算書、期間損益報告書など
対象期間1月1日から12月31日までか
確定損益帳票に記載された年間合計
保存先PDFのファイル名と保存フォルダ

その年にログインしていない口座でも、前年からのポジション決済やスワップ確定があれば対象年の損益が発生する可能性があります。「使っていないと思う」で除外せず、年間帳票または取引履歴を確認します。

FXTF・ヒロセ・JFXで集める帳票

会社によって、同じ目的のPDFでも名称が異なります。

FX会社公式案内で確認できる帳票年末の確認点
FXTF期間損益報告書サービス、アカウント番号、開始日・終了日を確認
ヒロセ通商損益計算書「報告書のダウンロード」から年間合計を確認
JFX指定した期間での損益計算書期間指定し、通貨ペア別と全体の合計を確認

FXTFの公式FAQは、マイページの「報告書」から期間損益報告書を出力する手順を案内しています。同じ会社内のサービスやアカウントを選ぶため、一部だけ選んでいないか確認します。

ヒロセ通商の公式FAQは、確定申告で年間の損益合計を確認する場合、「報告書のダウンロード」から損益計算書を確認すると案内しています。

JFXの報告書ダウンロード操作マニュアルは、「指定した期間での損益計算書」に通貨ペアごとの売買損益合計と全体合計が表示され、確定申告時に利用する書類だと説明しています。

4社目としてOANDA証券も含めた取得場所はFXの年間損益報告書はどこで見る?にまとめています。

実口座の途中集計:1口座だけでも4項目を分けている

このサイトが公開している実口座は1口座です。したがって、複数口座を実際に合算したデータはありません。その限界を明示した上で、1口座ぶんの集計構造を公開します。

2026年8月18日13:01時点のMT5明細では、確定損益は次の内訳です。

項目金額
決済済みの価格差損益+85,907円
決済済みのスワップ+4,986円
手数料0円
確定損益合計+90,893円
85,907円 + 4,986円 + 0円 = 90,893円

一方、同時点の口座残高は1,063,013円、未決済の評価損益は−13,773円、2026年の入金は600,000円です。これらは+90,893円と役割が違います。

  • 入金600,000円:自分の資金を口座へ移した記録で、取引利益ではない
  • 残高1,063,013円:年始残高、入出金、確定損益が合わさった口座の残高
  • 評価損益−13,773円:まだ決済していない保有ポジションの途中値
  • 確定損益+90,893円:決済済み取引の2026年途中集計

複数口座の表を作るときも、各社の「残高」を足すのではなく、同じ対象年の確定損益を揃えます。含み損益の扱いは未決済ポジションは課税対象かで確認できます。

e-Taxの書き方:集計表を作ってから「先物取引」を選ぶ

国税庁の確定申告書等作成コーナーでは、国内FXを「一般の雑所得」ではなく、先物取引に係る雑所得等から入力します。複数口座であっても、入口は同じです。

1. 対象年に使ったFX会社・口座を全部書き出す 2. 各口座の年間損益報告書をPDFで保存する 3. 同じ所得区分に入る口座を確認する 4. 口座別の確定損益と必要経費等を集計表へ転記する 5. 確定申告書等作成コーナーで「先物取引」を選ぶ 6. 「先物取引に係る雑所得等」を開く 7. 画面の案内に沿って取引内容、収入、必要経費等を入力する 8. 自動作成された「先物取引に係る雑所得等の金額の計算明細書」を確認する 9. 送信後に受信通知、申告書、計算明細書、年間帳票を保存する

国税庁の確定申告書類案内は、先物取引に係る雑所得等を申告する場合、同名の計算明細書が必要だと案内しています。また、国税庁1522は、確定申告書等作成コーナーで入力すると必要な明細書も自動作成されると説明しています。

会社ごとに入力欄を追加するか、同種取引をまとめて入力するかは、実際の申告年の画面案内と作成した明細書の内容を優先します。2026年分の申告画面は2027年に提供されるため、この記事の公開時点で将来のボタン名や配置を断定しません。基本操作はFXの確定申告のやり方で画面順に整理しています。

年間損失になった場合:合計後の赤字を3年繰り越すには申告を続ける

同じ区分の複数口座を損益通算した後も損失が残った場合、一定の要件を満たせば翌年以後3年間に繰り越せます。ただし、赤字口座があるだけで自動的に繰り越されるわけではありません。

国税庁「先物取引の差金等決済に係る損失の繰越控除」は、損失が生じた年に必要な付表と計算明細書を添付して確定申告し、その後も連続して付表を添付した確定申告書を提出することを要件に挙げています。

たとえばA社+10万円、B社−40万円なら、同じ区分で通算後は−30万円です。この−30万円を翌年へ残したい場合、損失年から申告します。詳しい書類と連続申告の条件はFX損失の3年繰越で確認してください。

混ぜてはいけないものを最後に確認する

複数口座の集計は、数字を全部足せばよい作業ではありません。税務上の区分が同じかを先に確認します。

  • 海外FXの損益を国内FXと同じ区分だと思って自動的に相殺する
  • 暗号資産の売買損益を国内FXの赤字と相殺する
  • 上場株式の譲渡益を国内FXの赤字と相殺する
  • 給与所得から国内FXの損失を差し引く
  • 未決済の含み損を年間の確定損失へ入れる
  • 口座開設キャンペーンやキャッシュバックを確認せず除外する

取引商品、契約先、キャンペーンの条件、必要経費の内容で判断が変わることがあります。区分が曖昧な取引は「国内FX」フォルダへ勢いで入れず、契約書面と年間帳票を持って税務署または税理士へ確認します。

年末チェックリスト

  • 使った会社・サービス・口座番号を一覧にした
  • 休眠口座も対象年の決済やスワップ確定を確認した
  • 全口座の年間損益報告書を同じ年で揃えた
  • 黒字口座だけでなく赤字口座も集計した
  • 確定損益、確定スワップ、手数料、必要経費等を分けた
  • 入出金、残高、含み損益を利益へ混ぜていない
  • 国内FXと異なる所得区分を自己判断で相殺していない
  • 20万円を口座ごとに判定していない
  • 損失を繰り越す場合は損失年から申告する
  • 送信後の受信通知と計算資料を年別に保存した

複数口座を管理できるか、最小取引単位、注文方法、年間帳票の取得先を比較する場合は公式情報で比べる口座ツールへ進めます。

まとめ

  • 国内FXの複数口座は、同じ年・同じ「先物取引に係る雑所得等」の確定損益を集計する
  • 20万円以下かを口座ごとに判定しない
  • 黒字30万円、赤字15万円、黒字2万円なら、同じ区分の合計は17万円
  • 各社の年間損益報告書・損益計算書を全口座分保存する
  • 入金、残高、未決済損益を年間の確定利益へ混ぜない
  • e-Taxでは「先物取引に係る雑所得等」から入力し、計算明細書を確認する
  • 合計後も損失が残り、3年繰越を使うなら損失年から連続して申告する

この記事は2026年8月19日時点の国税庁と各FX会社の一般案内を、個人の国内FXを前提に整理したものです。申告要否、所得区分、必要経費、キャンペーンの扱いは個別事情で変わるため、申告時の最新案内を優先し、不明点は税務署または税理士へ確認してください。