結論:FXの損失は翌年以後3年間繰り越せるが、損失年から申告が必要

国内FXで年間の損益を合計して損失になった場合、その損失は一定の要件を満たせば翌年以後3年間にわたり繰り越せます。翌年以後に「先物取引に係る雑所得等」の利益が出たとき、繰り越した損失をその利益の範囲で差し引く制度です。

ただし、赤字だった年に何もせず、翌年に利益が出てから自動的に差し引ける制度ではありません。国税庁「先物取引の差金等決済に係る損失の繰越控除」は、次の手続きを示しています。

1. 損失が生じた年分について、繰越損失用の申告書付表と計算明細書を添付して確定申告する 2. その後も連続して、申告書付表を添付した確定申告書を提出する 3. 繰越控除を実際に使う年も、申告書付表と計算明細書を添付して申告する

要点は、損失が出た最初の年と、その後の毎年の申告を切らさないことです。税金の支払いが0円だから申告も不要、と考えると繰越控除を使えなくなる可能性があります。

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年間損益報告書の項目や、未決済スワップが確定する時点は口座ごとに確認が必要です。 この記録はOANDA証券のMT5明細で検算しています。1,000通貨から取引できる国内口座にはFXTFヒロセ通商(LION FX)があり、 申込前に年間帳票の取得方法と取引履歴の出力方法も公式画面で確認できます。

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3年間とは、損失が出た翌年から数える

たとえば2026年分の国内FXが−300,000円だった場合、繰り越せる対象年は2027年、2028年、2029年です。各年に利益が出れば、古い損失から順に使います。

年分その年のFX損益繰越控除課税対象として残る金額翌年へ残る損失
2026年−300,000円0円300,000円
2027年+120,000円120,000円0円180,000円
2028年+150,000円150,000円0円30,000円
2029年+70,000円30,000円40,000円0円

この例では、2026年の損失300,000円を3年間で使い切り、2029年に残った40,000円が「先物取引に係る雑所得等」の課税対象として残ります。実際の税額は、必要経費、ほかの対象取引、所得控除などでも変わるため、この表は制度を理解するための単純化した例です。

前年以前3年以内に複数年の繰越損失がある場合は、国税庁の案内どおり最も古い年分の損失から順に差し引きます。任意に新しい損失から使うのではありません。

国内FX同士は損益通算できるが、給与や株・暗号資産とは別

国税庁「先物取引に係る雑所得等の課税の特例」は、「先物取引に係る雑所得等」の損失について、同じ区分のほかの所得との損益通算は可能ですが、それ以外の所得とは損益通算できないと説明しています。

つまり、国内FXのA社が+200,000円、国内FXのB社が−270,000円なら、同じ対象区分に入ることを確認したうえで合計は−70,000円になります。一方、次のような引き算を当然にできるわけではありません。

  • FXの損失を給与所得から差し引く
  • FXの損失を上場株式の譲渡益から差し引く
  • FXの損失を暗号資産の所得から差し引く
  • 海外FXを国内FXと同じ申告分離課税として機械的に合算する

「投資の損失」という見た目が同じでも、税務上の所得区分と課税方式が違います。利用したサービスが国内FXなのか、店頭FX以外の対象取引なのか、海外事業者なのかを先に分けます。判断に迷う取引は、税務署または税理士へ確認してください。

実口座は2026年8月18日時点で+90,893円。まだ年間結果ではない

このサイトの実口座は、2026年8月18日13:01時点の確定損益が+90,893円です。1月から8月の月別確定損益も、現時点ではすべてプラスです。

項目途中集計
2026年の確定損益+90,893円
口座残高1,063,013円
未決済の評価損益−13,773円
2026年の入金合計600,000円

この途中集計だけなら、現在この口座に繰り越す確定損失はありません。ただし、年末までに決済が増えれば年間損益は変わります。また、別の国内FX口座で損失がある人は、1社の黒字だけを見て申告額を決められません。

未決済の評価損益−13,773円は、決済済みの年間損益と同じものではありません。含み損を見て「今年は−13,773円を繰り越せる」と判断せず、年末の確定損益と年間帳票を確認します。未決済ポジションの扱いは含み益・含み損に税金はかかる?で分けて解説しています。

損失年に用意する書類

国税庁の手続き案内では、損失を繰り越す最初の年に、少なくとも次の書類が関係します。

  • 所得税及び復興特別所得税の確定申告書
  • 先物取引に係る雑所得等の金額の計算明細書
  • 申告書付表(先物取引に係る繰越損失用)
  • 各FX会社・口座の年間損益報告書や損益計算書
  • 必要経費を計上する場合の領収書、明細、按分根拠

国税庁の確定申告書等の様式・手引きにも、繰越損失用の申告書付表と「先物取引に係る雑所得等の金額の計算明細書」が掲載されています。

FX会社の年間損益報告書は、会社ごとに名称や取得場所が違います。年間損益報告書はどこで見る?ではFXTF、ヒロセ通商、JFX、OANDAの公式手順をまとめています。複数口座を持っている場合は、使っていないと思っていた口座も含め、対象年に決済やスワップの確定がなかったかを確認します。

e-Taxでは「先物取引に係る雑所得等」から繰越損失を入力する

国税庁の確定申告書等作成コーナーを使う場合、FXは一般の雑所得欄ではなく「先物取引に係る雑所得等」から入力します。基本の入口はFXの確定申告のやり方で整理しています。

前年からの繰越損失を入力する年は、次の順に確認します。

1. 前年分までの申告書控えと繰越損失用付表を用意する 2. その年分の年間損益報告書を全口座分そろえる 3. 確定申告書等作成コーナーで「先物取引」を選ぶ 4. 「先物取引に係る雑所得等」を開き、その年の損益・必要経費を入力する 5. 画面下部の「繰越損失の入力」から前年以前の金額を入力する 6. 自動作成された計算明細書と繰越損失用付表を確認する 7. 送信後、受信通知・申告書・付表・計算明細書を保存する

国税庁の入力例「先物取引に係る雑所得等の入力」も、前年分の繰越損失用付表を用意し、入力画面の「繰越損失の入力」欄から金額を入れる流れを案内しています。

画面名や配置は申告年ごとに更新される可能性があります。2026年分を申告するのは2027年なので、実際の申告時はその年分の最新画面と国税庁の案内を優先してください。

取引がない年も、連続申告を切らさない

損失を申告した翌年に取引を休んだ、または利益も損失もほぼ出なかった場合でも、繰越控除を残したいなら申告を飛ばさないことが重要です。国税庁は、損失年の後も連続して申告書付表を添付した確定申告書を提出することを要件として掲げています。

「利益が出た年だけ申告すればよい」と考えると、空白年が生まれます。前年の申告書控えに残っている損失額、当年に使った額、翌年へ残す額を毎年つなげて保存します。

複数年の申告書は、次のように年別フォルダへまとめると追いやすくなります。

2026年分:年間損益報告書・計算明細書・繰越損失用付表・受信通知
2027年分:年間損益報告書・前年からの繰越額・当年使用額・翌年繰越額
2028年分:同じ4点を更新

20万円以下の申告不要と、損失繰越は別に考える

一定の給与所得者にある「給与・退職所得以外の所得が20万円以下なら所得税の確定申告を要しない場合がある」という制度と、損失の繰越控除は目的が違います。

損失年は納める税額がなくても、将来の利益から損失を差し引く権利を残すために申告します。FX利益20万円以下なら確定申告は不要?でも、20万円以下は全員に共通する免除ではなく、住民税や還付申告も別に確認する必要があると整理しています。

「赤字だから申告不要」と「赤字を3年間繰り越したい」は両立しません。繰り越したいなら、損失年から必要書類を付けて申告するのが基本です。

よくある間違い7つ

1. 含み損を繰越損失に入れる:未決済の評価損益と確定した年間損益を混ぜない 2. 1社分だけで計算する:利用した国内FX口座の年間帳票を全部そろえる 3. 給与や株の利益と相殺する:損益通算できる所得区分を先に確認する 4. 損失年は申告しない:翌年に利益が出てから初めて申告するのでは遅い場合がある 5. 利益がない年は申告を飛ばす:繰越を続けるなら連続申告の要件を守る 6. 前年の控えを捨てる:e-Tax入力時に前年以前の繰越額を確認できなくなる 7. 3年を永久繰越と考える:使える期間を年分で管理する

再現できる年末チェックリスト

  • その年に使ったFX会社・口座を一覧にした
  • 各口座の年間損益報告書を保存した
  • 売買損益、確定スワップ、手数料、必要経費を確認した
  • 未決済の含み損益を確定損益へ混ぜていない
  • 同じ「先物取引に係る雑所得等」に入る取引だけを集計した
  • 前年以前3年分の繰越損失を古い順に確認した
  • 損失年から申告が連続している
  • 計算明細書と繰越損失用付表を確認した
  • 送信後の受信通知と申告書控えを保存した

口座ごとの取引単位、注文方法、年間帳票の確認先を比べる場合は公式情報で比べる口座ツールも使えます。税金だけで口座を選ぶのではなく、年末に損益を回収できる帳票があるか、複数口座を自分で管理できるかまで含めて判断してください。

まとめ

  • 国内FXの一定の損失は、翌年以後3年間の利益から差し引ける
  • 損失が出た年に、計算明細書と繰越損失用付表を添付して確定申告する
  • その後も連続して申告し、繰越額を毎年つなぐ
  • 複数年の損失は最も古い年分から使う
  • 国内FXなど同じ「先物取引に係る雑所得等」の範囲では損益通算できるが、給与・株・暗号資産とは区分が違う
  • 実口座の+90,893円は2026年8月18日時点の途中経過で、年間損益ではない
  • e-Taxでは「先物取引に係る雑所得等」の繰越損失入力欄を使う
  • 20万円以下の申告不要と、損失を将来へ繰り越す申告は分けて考える

この記事は公開日時点の国税庁の一般案内と実口座データを整理したもので、個別の税務判断ではありません。取引の区分、申告の連続性、期限後申告や修正の可否などは状況で変わるため、最終判断は税務署または税理士へ確認してください。