結論:EAは「Expertsへ保存」「チャートへ設定」「2段階で許可」の順
MT5でEA(Expert Advisor/エキスパートアドバイザ)を動かす基本手順は次の7段階です。
1. PC版MT5と、MT5用のEAファイルを用意する 2. 「ファイル」→「データフォルダを開く」を選ぶ 3. `MQL5`→`Experts`へEAファイルを保存する 4. MT5を再起動し、ナビゲータへ表示されたことを確認する 5. 対象の銘柄・時間足のチャートへEAを設定する 6. EA個別とMT5全体の両方で自動売買を許可する 7. チャート右上の表示と「エキスパート」「操作ログ」で稼働を確認する
OANDAのMT5自動売買の公式解説は、ウェブから入手したEAを`MQL5`内の`Experts`へ保存し、MT5を再起動する流れを案内しています。MetaQuotesのEA公式ヘルプでは、ナビゲータからEAをチャートへ設定し、EA個別とプラットフォーム全体の許可を確認する仕組みが説明されています。
ファイルをフォルダへ置いただけでは、自動売買は始まりません。反対に、ツールバーの自動売買を有効にしただけでも、EA個別の許可が無効なら注文できません。この2段階を分けて確認するのが最短です。
この記録はMT5で取っています。MetaTraderは国内では扱う会社が限られ、MT4対応はFXTF
、独自ツールならヒロセ通商(LION FX)
という選び方になります。 サーバー時間や取引時間の区切りは会社ごとに違うので、明細の読み方も変わります。
MT5用EAとMT4用EAは同じではない
最初に、入手したEAがMT5用か確認します。OANDA公式は、MT5用EAがMQL5で作られ、MT4用のMQL4コードでは動かないと説明しています。
よく使われるファイルの違いは次のとおりです。
| ファイル | 主な意味 | そのまま使えるか |
|---|---|---|
| `.ex5` | MT5で実行するコンパイル済みファイル | MT5のExpertsへ保存 |
| `.mq5` | MT5用のソースコード | MetaEditorでコンパイルが必要 |
| `.ex4` | MT4用の実行ファイル | MT5では使わない |
| `.mq4` | MT4用のソースコード | MT5用へ作り直す必要がある |
拡張子だけを変更しても、MT4用EAはMT5用にはなりません。プラットフォームの違いはMT4とMT5の比較で整理しています。
配布されたZIPにはEA本体以外のライブラリ、プリセット、説明書が含まれる場合があります。OANDA公式も、EAによっては別フォルダへ特定ファイルを保存する作業が必要だと注意しています。配布元の手順がある場合は、フォルダ構成や利用条件を先に確認します。
MT5へEAをインストールする手順
1. PC版MT5でデータフォルダを開く
MT5上部の「ファイル」から「データフォルダを開く」を選びます。Windowsの検索やショートカットから似た名前のフォルダを探すより、実際に使っているMT5から開く方が確実です。
同じPCに複数のMT5を入れていると、インストール先とデータフォルダが別になる場合があります。EAを保存したのに表示されない時は、起動中のMT5から開いたデータフォルダかを確認します。
2. MQL5→Expertsへファイルを保存する
開いたフォルダで`MQL5`→`Experts`へ進み、MT5用の`.ex5`または`.mq5`を保存します。EA配布元からサブフォルダ名を指定されている場合は、その構造を保ちます。
`.mq5`だけがある場合は、MetaEditorで開いてコンパイルします。コンパイルに成功すると実行用の`.ex5`が作られます。エラーが残っているソースを置くだけでは、実行できるEAになりません。
3. MT5を再起動する
OANDAのMT5操作マニュアルは、ファイルを反映するためMT5を一度閉じて再起動するよう案内しています。
再起動後、「表示」→「ナビゲータ」を開き、「エキスパートアドバイザ」の中にEA名が出るか確認します。ナビゲータの更新で表示される場合もありますが、初回は再起動まで行うと切り分けが簡単です。
EAをチャートへ設定して動かす手順
1. 銘柄と時間足を先に合わせる
EAを動かすチャートを開き、仕様で指定された銘柄と時間足へ合わせます。たとえばUSDJPY・1時間足向けのEAを、別の銘柄や時間足へ置けば、エラーがなくても売買条件が一度も成立しない可能性があります。
ブローカーによって銘柄名へ接尾辞などが付く場合があります。EAが固定の銘柄名を参照する設計なら、実際の口座で使われる名前と一致しているかも確認します。
2. ナビゲータからチャートへEAを設定する
MetaQuotes公式では、ナビゲータのEAをダブルクリックするか、チャートへドラッグ&ドロップして起動します。設定画面でロット、利確、損切り、稼働時間などの入力値を確認してから「OK」を押します。
入力値の意味が分からないまま本番口座へ設定しません。まずMT5デモ口座の作り方とバックテストの手順を使い、注文数量、最大保有数、停止条件を確認します。
MetaQuotes公式によると、1つのチャートで実行できるEAは1つです。同じチャートへ2つ目のEAを設定すると、1つ目は外れます。複数EAや同じEAの別設定を動かす場合は、チャートを分けます。
3. EA個別の自動売買を許可する
EAの設定画面で「自動売買を許可する」に相当する項目を有効にします。名称は表示言語やビルドによって少し変わる場合があります。
DLLやWebRequestは、すべてのEAで必要な設定ではありません。MetaQuotes公式は、DLLを信頼できるアプリケーションだけで有効にし、未知のEAでは無効を推奨しています。WebRequestも初期状態では無効で、必要な場合に信頼するURLを明示して許可する仕組みです。
「動かないから」と一括で権限を広げるのではなく、EAの公式説明で必要性を確認します。
4. MT5全体の自動売買を許可する
ツールバーの自動売買ボタンを有効にします。MetaQuotes公式によると、この設定はプラットフォーム全体へ効きます。
- MT5全体が無効:EA個別が有効でも取引できない
- MT5全体が有効:EA個別も有効なEAだけ取引できる
つまり、両方の許可が必要です。EAの起動に成功すると、チャート右上にEA名と稼働状態を示すアイコンが表示されます。無効アイコンなら、EAは分析処理をしていても取引操作はできません。
EAが表示されない時の確認順
MT4用ファイルを入れていないか
`.ex4`や`.mq4`はMT4用です。MT5用の`.ex5`または`.mq5`を用意します。
保存先が起動中MT5のデータフォルダか
別のMT5や古いインストール先のExpertsへ保存すると、現在のナビゲータには出ません。起動中のMT5から「データフォルダを開く」を選び直します。
mq5のコンパイルが成功しているか
MetaEditorのエラー一覧を確認します。`.mq5`が存在しても、実行用`.ex5`が作られていなければ稼働しません。
再起動またはナビゲータ更新を行ったか
ファイルを追加した直後は、MT5を再起動して反映を確認します。
ライセンスや利用口座の制限がないか
購入EAや配布EAには、利用期限、口座番号、ブローカー、デモ限定などの条件が付く場合があります。販売元の画面と操作ログを確認します。
EAは表示されるが動かない・注文しない時の確認順
1. 2段階の自動売買許可
チャートへ設定したEA個別の許可と、MT5全体の自動売買ボタンを両方確認します。
2. マスターパスワードでログインしているか
MetaQuotesの口座接続公式ヘルプでは、投資家パスワードでもEAの操作や分析はできますが、取引はできないと説明しています。読み取り専用でログインしている場合は、自動売買を許可しても注文できません。ログイン問題はMT5へログインできない原因で切り分けられます。
3. 銘柄・時間足・入力値が仕様どおりか
EAが売買条件を満たしていないだけなら、エラーは出ません。対象銘柄、時間足、稼働曜日、時刻、スプレッド上限、最大保有数を確認します。
4. 必要証拠金と取引数量
ロットが口座の最小単位や上限に合わない、必要証拠金が足りない場合、注文は拒否されます。操作ログに数量や証拠金のエラーが出ていないか確認します。
5. 口座・プロファイル・チャート変更後の停止設定
MetaQuotes公式には、口座変更、プロファイル変更、チャートの銘柄や時間足変更時に自動売買を停止する防御設定があります。デモから本番へ切り替えた後や時間足を変更した後は、稼働状態を再確認します。
6. エキスパートと操作ログ
「ツールボックス」のエキスパートまたは操作ログを開きます。初期化失敗、無効な入力値、許可不足、注文拒否などの記録が原因特定の正本です。「チャートに名前が出ているから動いている」と判断せず、ログまで確認します。
PCを閉じてもEAを動かしたい場合
自宅PCで動かすEAは、取引サーバーへの接続と電源が必要です。MetaQuotesのバーチャルホスティング公式ヘルプも、ロボットを24時間動かすには取引サーバーへの常時接続と途切れない電源が必要だと説明しています。
PCを閉じる時間もEAを継続するなら、VPSやMetaTraderのバーチャルホスティングへ稼働環境を移します。ただし、PC側のチャートへEAを設定しただけで、VPS側へ自動的に同じ環境が作られるわけではありません。MetaQuotesの移行手順に従い、チャート、EA、入力パラメータ、プラットフォーム設定を同期します。
未約定の指値注文はサーバー側で管理される場合がありますが、EAが新しい条件を判断し続けることとは別です。「すでに出した注文が残る」と「EAが止まらず動く」を分けて考えます。
EAを使う口座は、対応端末と禁止範囲まで確認する
このページの手順はMT5向けです。国内口座を選ぶ場合、同じMetaTraderでも会社によって使える端末と自動売買の範囲が異なります。
たとえばFXTFでEAを使えるのはFXTF MT4であり、MT5ではありません。外部EAの導入手順はFXTF MT4へEAを入れる方法、EAを原則利用できる範囲と異常な超高頻度取引などの禁止事項はFXTFのスキャルピング・EA利用条件で公式情報から分けています。
「MetaTrader対応」だけで決めず、使いたいEA、最小取引数量、禁止行為、PCを閉じる時間の運用まで確認します。FXTFを含む3社の条件を比べる場合は、口座比較ツールのFXTF欄へ進めます。
本番口座へ入れる前のチェックリスト
- MT5用EAで、配布元とファイルの安全性を確認した
- データフォルダの`MQL5/Experts`へ保存した
- コンパイルエラーがない
- デモ口座で注文数量と停止方法を確認した
- バックテスト条件と結果を保存した
- 銘柄・時間足・入力パラメータが仕様どおり
- EA個別とMT5全体の両方で自動売買を許可した
- DLL・WebRequestは必要なものだけ許可した
- 投資家パスワードではなく、取引可能な権限で接続した
- 操作ログに初期化・注文エラーがない
- PC停止中も必要ならVPSへ正しく移行した
- 緊急時に自動売買を止め、保有と注文を確認する手順がある
この口座の実績とEAは混ぜない
このサイトが公開している2026年の取引明細は、8月18日13:01時点で146決済・確定+90,893円です。これは実口座の約定履歴であり、EAのバックテスト結果や販売EAの成績ではありません。
この運用を自動化するなら、注文間隔、数量、最大保有数、利確、停止条件を別に実装して検証する必要があります。EA化で決める7項目に設計条件をまとめていますが、現時点でこの実口座を「EA運用実績」とは表示しません。
まとめ
- MT5用EAは`MQL5/Experts`へ保存し、MT5を再起動する
- EAを対象チャートへ設定し、個別とMT5全体の両方で自動売買を許可する
- 1つのチャートで動かせるEAは1つ
- MT4用の`.ex4`・`.mq4`はMT5用ではない
- EAが表示されない時は、種類、保存先、コンパイル、再起動の順で確認する
- 注文しない時は、権限、ログイン種別、銘柄・時間足、入力値、証拠金、操作ログを確認する
- DLLとWebRequestは、必要性と配布元を確認してから許可する
- PC停止中も動かすなら、常時接続できる環境へ正しく移行する
- このサイトの146決済・+90,893円は実口座の途中集計で、EA成績ではない
この記事は2026年8月21日時点のMetaQuotesとOANDA証券の公式情報を基にしています。画面名、利用できるEA、注文条件、VPSの仕様はMT5のビルド、FX会社、EAによって異なるため、実際に使う環境の最新説明も確認してください。
